壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

少年探偵ロビンの冒険   F・W・クロフツ

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少年探偵ロビンの冒険   F・W・クロフツ
井伊順彦訳 論創ミステリ62(ヴィンテージ・ジュヴナイル) 2007年 1800円

クロフツといえば、四十年以上前(中学生のころ)に『クロイドン発12時30分』で倒叙ミステリを初めて知り、『樽』でアリバイ崩しの醍醐味を知ったものです。それ以外にもフレンチ警部物はいくつか読んだはずなのに、内容をほとんど思い出せません。本書はクロフツ唯一のジュヴナイル(1947年刊)の初訳だそうです。

探偵マニアの少年ロビンは、長い夏休みを鉄道マニアの親友ジャックの家で過ごします。ジャックの父はイングランド南西岸にある鉄道高架橋の建設責任者です。少年たちが建設現場周辺を探検している最中に洞穴で窃盗事件に出会い、足跡の型をとって捜査し始めたところ、さらにもっと重大な事件が起こりました。

私は鉄子ではないので面白さはさほどでもありませんが、鉄道の引込み線における機関車の動きとか当時の鉄道に関する話題が豊富で、鉄道マニアにはたまらないでしょうね。少年たちが憧れのフレンチ警部に会って、「警察に任せなさい」「大人に連絡しなさい」というアドバイスを貰ったにもかかわらず、やっぱり少年たちだけで冒険してしまうのはお決まりの展開です。でも少年たちの大冒険にはワクワクドキドキしましたよ。