壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

猫島ハウスの騒動 若竹七海

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猫島ハウスの騒動 若竹七海
光文社カッパノベルズ 2006年 900円

葉崎市シリーズ第三作です(すっかりハマってしまった)。干潮のときだけ本土とつながる猫島は、猫島神社があるだけの小さな島です。住民は全部で三十人にも満たないのですが、ある雑誌で猫の天国と紹介されて以来、観光地として有名になり、夏には猫好きの観光客がたくさん訪れるようになりました。

洋風民宿「猫島ハウス」の孫娘、響子は祖母を手伝い小さな土産屋を切り盛りしているとてもしっかりとした高校生です。ただ今年の夏は、一緒にアルバイトをするはずだった虎鉄と修学旅行で何かあったらしくて、・・・。

第一作から何年たつのか、あの騒々しい双子ちゃんは高校生になっていました。響子の同級生だそうです。ひどい猫アレルギーの駒持警部補はなんと●●マスクを着けて捜査しています。臨時派出所の七瀬巡査は若いのにグータラです。でも警部補に上手に使われて、全身ボロボロになりながら事件を解決していきます。

事件のほうは、マリンバイクに断崖から落ちてきた男がぶつかったという海難事故に、ナイフの刺さった猫の剥製。そうそう猫が事件解決に重要な役目をもっているのです。なにしろ島全体で100匹かそれ以上という猫たちは大事な観光資源。派出所にもポリス猫DCがいて大活躍します。アカネさんところのヴァニラは、猫の恩返しで●●を発見しました。

島の住民の何倍もの数の猫たちはたいてい名前がついています。若竹さんによれば、出てくる猫の八割は小説や映画に由来した名前で、出典が全部わかったら相当の猫好きだそうです。私はトマシーナくらいしかわかりませんでした。今回のミステリーは単純で、すっきり終わりました。唯一残された謎は、響子と虎鉄の修学旅行での出来事。猫島の住民全員が知りたがっています。もちろん読者もね。