壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

蒸気駆動の少年   ジョン・スラデック

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蒸気駆動の少年 ジョン・スラデック
柳下毅一郎他 訳 河出書房新社 奇想コレクション 2008年 2100円

「グラックの卵」に一編入っていたスラデック作品の、奇妙奇天烈さに興味をもっていました。リボンさんのところで見かけたこの本を、図書館の新着コーナーで発見!23編の短編のうちいくつかは筒井作品を思い出す。スラデック、いいなあ。えっ、もう亡くなったのですか。きっと言葉遊びの多い作品なんでしょう、翻訳だけではわからないこともありそうです。

以下、読書感想というより読書妄想

『古カスタードの秘密』「台所にいたスパイ」周り中全員スパイ。
『超越のサンドイッチ』その分野では「定年食」なんて傑作があった。
『ベストセラー』島に幽閉状態の男女四組の「藪の中」。筒井さんじゃないけど。~四重奏?
アイオワ州ミルグローブの詩人たち』伏字ばかりの・・なんだっけ。
『最後のクジラバーガー』義体化人間たちは、もしかしたら一部ヴァーチャルになっている?
『ピストン式』巨大トランスフォーマー♂♀同士の××シーン。
『高速道路』終わりのないバスの旅。経験がある(ような気がする)。
『悪への鉄槌、またはパスカルビジネススクール求職情報』論理パズル。aha!とは思えない。
『月の消失に関する説明』不幸な男は最期に、重力の呪縛から逃れるはずだ。
『神々の宇宙靴−考古学はくつがえされた』UFOはカーゴカルトだった。
『見えざる手によって』ホームズ気取りの素人探偵フィンが解いた密室殺人。ミステリもあるのね。
『密室』名探偵が(思い出す密室が)多すぎる。
『息を切らして』素人探偵フィンの事件。パチョリ油ってそんなに臭いの?
ゾイドたちの愛』街にひっそりと生きる所有せざる人々の悲しい話。体も心も透明感に満ちて。
『おつぎのこびと』地球にやってきたエイリアンの戸惑い。わけわからない悪夢のよう。
『血とショウガパン』残酷な童話。もしヘンゼルとグレーテルがとんでもないワルだったら。
『不在の友に』不在素粒子について分析的に言及することはできないby ハイゼンベルグ
『小熊座』S・キングテイストのホラー。テディベアはよく見ると怖い。
『ホワイトハット』エイリアンに中枢神経をのっとられるのは「トラブル」だっけ。
『蒸気駆動の少年』スチームパンクタイムパラドックス。考えると頭が悪くなりそう。
『教育用書籍の渡りに関する報告書』本の帰巣本能。♪~本、飛んでいく南の空へ♪
『おとんまたち全員集合!』いつまでも若い気でいる大人たちは、おとんまになる。
『不安検出書(B式)』作品はアンケート用紙。「新日本探偵社報告書控」面白かったなあ。