壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

掠奪都市の黄金

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掠奪都市の黄金 フィリップ・リーヴ
安野玲 訳 創元SF文庫 2007年

「移動都市」の続編です。文明崩壊後の地球では、移動する都市は掠奪を繰り返し、反移動都市同盟と闘争を続けています。移動都市ロンドンの見習い史学士だったトムは、顔に傷のある少女へスターとともに、炎上するロンドンから、飛行船で逃げ出しました。

二人で旅を続けるへスターとトムは、攻撃をうけ不時着して氷上都市アンカレッジに拾われました。そこはフレイアという若く美しい貴族が治めていて、フレイアがトムに近づくのを我慢できないへスター。へスターは激しい気性でたくましいけれど、だって女の子だもん!トムのことが大好きで、嫉妬に胸を焦がします。

でも、自分を殺そうとしたヴァレンタインが実の父であることを知ったヘスターは、いちだんと肝の据わった人間になったみたいで、トムとはどうなるか最後の最後まで気をもみましたが、なんだ、そうだったのね。おばさん心配しちゃったわ。でも、しっかり者のヘスターがついているから、のん気なトムも大丈夫ね・・(おっと、なにか保護者めいた気分になった)。

原作は三作、四作と続くので、登場する都市や集団の名前をメモっておきます。
アルハンゲリスク:略奪を目的とする巨大移動都市。マーズガルト総統が支配。
アンカレッジ:フレイアの治める氷上移動都市。疫病で過疎となり、故郷を目指す。
グリムズビーロストボーイたちの本拠地。オリバー・ツイストみたいな窃盗団。
グリーンストーム:反移動都市同盟の急進派。ストーカーというミニ巨神兵みたいなのを再生。

近頃は、こういう話を読んでも頭に浮かぶイメージが、既成のものをなぞらえているだけになってしまいました。昔のような自由な発想は、もはやかないません。