壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

イグアナの娘

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イグアナの娘 萩尾望都
小学館文庫 2000年 500円

老眼鏡の度数が合わなくなってきたらしく、長時間の読書が辛くなり、ポッドキャストで落語や朗読を聞いています。耳から聞くには落語がいいですね。文芸作品の朗読を聞くと、聞くことに慣れていないためか、頭の中に情景でなくて活字が浮かんできて、物語を楽しめないことがあります。相当の活字中毒です。

漫画ならば眼が疲れないかと読み始めたのですが、文庫版に縮小されたものは、字がかなり小さくて読みにくいですね。萩尾望都の短編を再読しました。

イグアナの娘」あまりにも有名なこの短編。微妙な母娘関係をこんなにも大胆な手法で描けるなんて、すごい。
「帰ってくる子」母親が死んだ幼い弟を思い出すたび、兄には弟が見える。
カタルシス」少女漫画的だけれど、子離れできない母と息子の関係。
「午後の日射し」これも母娘関係をかなり日常的に描いている。
「学校へ行くクスリ」周りの人間が、人間でないものに見える場面が面白い。
「友人K」中学時代ライバルだったK。