ロボット・イン・ザ・ホスピタル デボラ・インストール
松原葉子 訳 小学館文庫
「タング」のロボット・イン・ザ・ガーデンシリーズ 5作目です。
全部読みましたよ。
イギリスの女性作家が書くこのシリーズ,シリーズ化されて出版されているのは日本だけではないでしょうか。Amazon. UK を探しても,第一作しか見当たりません。第一作は何か国語にも翻訳されていますが,続刊の出版は日本語だけという,不思議なシリーズです。まあ,わからないでもないけれど。
日本では,劇団四季の舞台になり,映画も公開予定とか。コミックも有ります。マッドサイエンティストが作ったAIロボットとして,迷子のようにチャンバース家の庭に現れ,ベンとエイミーの夫婦に育てられたタング。すくすく(?)と成長して,中学校に通うようになりました。ドジな(元)ダメ男のベンの家族や親族,隣人を巻き込んだホームコメディーです。タングはロボットですが,ロボットというよりとても個性的な子供と捉えたほうが理解しやすいと思います。
ストーリーがどこへ向かっているのか,何を意図しているのか,よくわからないのです。ロボットの成長物語というわけでもなく,ダメ男のベンは少しはましになったけれど,相変わらずだし… 女性陣が強すぎます。
やっぱりねえ,こういう物語は長く続けるならマンネリが王道です。一冊を読み通すのには話が長すぎるので,短いエピソードを連ねた連作短編風ならもっと読みやすいかも。サザエさんみたいな感じに,ずっと成長しない可愛いタラちゃんのように,あの可愛いタングのままでいたら…って,皮肉っぽくてごめんなさい,次が出版されたら,また読みますから。