壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

夜来たる  アイザック・アシモフ

夜来たる  アイザック・アシモフ

グーテンベルク21 電子書籍

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アシモフの初期短編集で3編の短い作品が入っていました。長編を読む気力の無い時には100頁ばかりの300円弱の本だと読み始める気になります。でも,読み終わってちょっと短すぎて物足りないという我儘な自分にびっくり。

 

「夜来たる」 惑星ラガッシュは6つの太陽を持つため,2000年に一度しか夜が来ない。5つの太陽が対蹠点に直列し,普段は見えない衛星によって6番目の太陽の日蝕が起きるのだという。2000年毎の蝕の度に文明の終焉を招くという天文学者たちの話は信じるに足るのか。♪この惑星の住民は暗闇を知らないのでScotophobia(暗所恐怖症)らしいのね。電気はあるようだが,必要がないので電灯はなくてロウソクやランプも発明されていないらしい。となれば,物を燃やして暗闇を追い払うしかないけれど…。皆既日食になって暗闇の天空に輝く数万の星々の場面が圧倒的。

「ガニメデ星のクリスマス」 木星の衛星ガニメデで働く鉱山会社の社員たちは,原住民を働かせていた。ところが原住民たちにクリスマスの話をしてしまったため,プレゼントを欲しがる原住民がストライキを起こした。♪ドタバタ系ユーモアSFです。私たちだってクリスマスの何かを知らなくてもプレゼントは欲しいよね。クリスマスツリーのあの玉飾りって何のシンボルなんだろう。サンタクロースの卵じゃないらしいだけどね,原住民たちが毎年この卵が欲しいって! 衛星ガニメデの公転周期は7日だそうで…

「赤い女王のレース」 原子力発電所で事故があって,タイウッド博士が死んでいた。核燃料が爆発もせずに消滅した原因は何だったのか。♪現代の化学の教科書を古代ギリシャ語に翻訳して過去に時間遡行させると何が問題なのか。タイムパラドックスと赤い女王のレースの関連がイマイチわからなくて? この事件も未解決のまま「?」の棚に分類?