壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

一度きりの大泉の話 萩尾望都 / 少年の名はジルベール 竹宮恵子

一度きりの大泉の話 萩尾望都 

河出書房新社 電子書籍

f:id:retrospectively:20210509150150j:plain

少年の名はジルベール 竹宮恵子

小学館文庫 電子書籍

f:id:retrospectively:20210509150217j:plain

 

というネットの記事を読んで,この二冊の本を読みました。少女マンガは萩尾望都のSF作品を少し読んだ事があって,ちょっとだけファンです。竹宮恵子の作品の名前は知っていますが読んでいません。やじうま根性丸出しです。

竹宮恵子萩尾望都やその他の少女マンガ家たちが,50年ほど前に練馬区で共同生活を送り,いろいろ行き違い(?)があって決別し,その後50年近く関係が修復できていないというような話です。二人がそれぞれに語る出来事はそれほど矛盾しているわけではありませんが,事実の捉え方や気持ちは人ぞれぞれです。どちらも20代前半の若い女性たちで,同じ職業を目指していたわけですから,いろいろなことがあるのは当然です。

お互いに悪意が無くても,ある人が他の人にした行為が,したほうはそれほどのことではないと思っても,されたほうは深く傷つくことはよくある事です。それは一方的なものではなく,両方からの可能性もあるでしょう。50年たってそれほどのことではないと考える人もいれば,記憶にふたをするしかない程に深く傷ついている場合もあります。50年という年月だけでは消せない事もあると思います。

 

ところで,今月の下旬に卒業後50年近くたつクラス会があります。もちろんオンラインクラス会です。誰が言い出したのか,数十年ぶりなんですが,ちょっと気が重くて,なぜかな?と思っていました。 

そうだ!これだ! なんでこんなに長くクラス会をしていなかったのか? 何か自分の記憶に蓋をしていることはないのか? たぶん何にもないと思うけど… ちょっと怖くて,出欠の返信メールをまだ出していません。