壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

百年先~地方博物館の挑戦

百年先~地方博物館の挑戦 ふじのくに地球環境史ミュージアム

静岡新聞社  図書館本

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我が家から坂を上って20分ほど歩いた先,日本平・有度山の南西斜面に,廃校となった県立高校を再利用した小さなミュージアムがあります。6年前にできた「ふじのくに地球環境史ミュージアム」です。コロナでの運動不足を解消するために少し長い散歩をしていますが,一休みするのに時々立ち寄っています。

 

高校の教室と什器をほぼそのまま利用した10室に満たない展示室は,大きな博物館と比べると一見“しょぼい”のですが,とてもよく考えて作られています。例えば,脊椎動物の進化を展示している教室には,魚類から人類までの骨格標本が,授業中の生徒のように,机と椅子を使って並んでいます。前の黒板には出席番号順に動物の名前があります。他の展示室も学校の机を生かした展示が工夫されています。

 

低予算だし,辺鄙な場所にあるし,派手さのない展示なのですが,いつもじっくり全部見たりはしないので,生き物好きにとっては見るたびに小さな発見があります。そして地球と人類の未来ということを真面目に考えたくなる場所です。元職員室だったという図鑑カフェの大きな窓から見える駿河湾南アルプスの山々を堪能しています。

 

今までもすいていたのに,コロナで今はもっと閑散としています。百年先にも(東南海地震を乗り越えて)このような博物館が存続していますように。

図鑑カフェは入場無料。常設展は300円ですが,大学生以下と70歳以上は無料。私は今年から無料!になるので,毎日だって行ける(←迷惑?)。