前作「ドルチェ」が連続ドラマ向きなら、この長編「ドンナ ビアンカ」は二時間ドラマ(または映画)向きかな。
誘拐事件の収束点に向けて、二つの話が進行する。一つは村瀬の物語が少し過去から始まる。もう一つは、現在進行している誘拐事件の捜査で、練馬署強行係の魚住久江は捜査本部に派遣されている。
交互に語られる物語がどこでどのようにつながるのか、読むのをやめられず一日で読み終えてしまった。
村瀬と瑤子の切ない恋物語が主題だと思うほどに男女の気持ちが書き込まれているが、事件のスムースでソフトランディングな解決には、魚住刑事が事件関係者に寄り添う姿が必須なんですね。最後はやっぱり感動!