壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

再び ゲド戦記

アニメのゲド戦記の行方が気になっていました。

映画を見てきたという娘が電話してきました。やはり、ゲド戦記ではなかったようです。映画館で見るつもりのない私としては、ネタバレOKでストーリーまで聞きました。別の話のようです。いかだ族が出てこなかったそうです。

ジブリHPの監督日記にあった、「It is not my book. It is your film. It is a good film.」というUrsula K. Le Guinの言葉の真意は 彼女のHPにあるということも教えてもらったので、早速  http://www.ursulakleguin.com/  へ

Gedo Senki, a First Response のなかで、
ハヤオ氏が引退すると聞かされていたのに、次の作品を作っているらしいことを知って、やはりルグィンはオカンムリです。私的な会話を、ゴロー氏がブログに載せたことにも不賛成の意を表していて、そういうものが公式になった以上、はっきりと映画へのレスポンスをするといっています。

絵はきれいだし、動物やその他の情景はまさに、アースシーそのものだけれど、語られる話はまったく別のもので、映画化した時点で、原作者はコントロールできないのが当たり前ではあるが、それにしても本や読者に対するdisrespectを感じるらしい。また物語が内包するテーマを読み違えている、もしくはぞんざいに扱っていると考えているようです。内なる闇は魔法の剣を振り回してもどうすることもできないとルグィンは言っています。

テナー(金髪碧眼)以外の主人公たちも、アメリカ人には白人に見えるようですが、日本人の人種感覚は別であろうと。(白人だったら許せないようですね。)
アメリカでの公開は、米TVとの契約が切れる2009年以降になるらしく、”ああ、いじわるだこと!”といっています。アメリカのTVシリーズよりはジブリの方がましというところでしょうか。

英文字幕版を見たそうで、ゲドの声(日本語)とテルーの歌はすばらしかったといっています。

ゲド戦記を、アニメで、子どももおとなも、原作を読んでいる人もいない人も、そして原作者も、満足できるように作るなんて、むずかしいですね。

ところで、宮崎駿さんの次回作は何でしょう?ウィキペディアの記事(これも教えてもらった)によれば、かつて企画したものの中に「旅のラゴス」があったそうで、筒井ファンの私としては、是非実現して欲しかったものの一つです。「旅のラゴス」が読みたくなりました。