壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2023-02-01から1ヶ月間の記事一覧

影を踏まれた女  岡本綺堂

影を踏まれた女 岡本綺堂 光文社文庫 Kindle Unlimited 先日読み終わった『影踏み』からの名前繋がりですが,内容的にはつながりはありません。子供の頃,影踏み遊びをした時に妙にドキドキした覚えがあります。影を踏まれるのがなんとなく嫌だったのかしら…

影踏み  横山秀夫

影踏み 横山秀夫 祥伝社文庫 電子書籍 横山秀夫の2冊目です。半額だったので,警察小説と思って買っておいたら違いました。泥棒が探偵役のクライムノベルで,事件解決の目的は,真壁修一という「ノビ師」の正義感でしょうか。双子の弟啓二と父母を火事で失っ…

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義  廣野由美子

批評理論入門 『フランケンシュタイン』解剖講義 廣野由美子 中公新書 電子書籍 『フランケンシュタイン』を読み終わって,モヤモヤしている所でこの本を見つけた。小説の技法と批評理論を解説するために,実例として『フランケンシュタイン』を徹底的に解剖…

フランケンシュタイン   メアリ・シェリー

フランケンシュタイン 現代のプロメテウス シェリー 小林章夫訳 光文社古典新訳文庫 Kindle Unlimited 知っていると思っていたのに,実は知らなかった未読本でした。200年前に20歳の女性によって書かれた「怪物※」の物語はとても悲しい。枠としての手紙文の…

秋葉原先留交番ゆうれい付き  西條 奈加

秋葉原先留交番ゆうれい付き 西條 奈加 角川文庫 Kindle Unlimited 読み放題になっている西條奈加さんの作品を見つけました。 現代のユーモア小説です。秋葉原の交番(駐在所)の警官二人はまるで漫才のコンビのようです。表紙のように一人はオタクのメガネ…

老いの空白 鷲田 清一

老いの空白 鷲田 清一 岩波現代文庫 Kindle Unlimited 70を超えてから,いろいろのことができなくなった自分を感じている。 要するに「老いる」ということが気になってしょうがない。70歳は○○○,終活,老活,アンチエイジング,年金暮らしとか,そういう方面…

償いの雪が降る アレン・エスケンス

償いの雪が降る アレン・エスケンス 務台夏子 訳 創元推理文庫 電子書籍 邦題の『償いの雪が降る』という題名からハードボイルドを想像していたのは,間違いでした。センチメンタルといってもいいほどで,ジョー・タルバートという若者の純粋で一生懸命なボ…

香君 (上巻/下巻) 上橋菜穂子

香君 (上) 西から来た少女 (下)遥かな道 上橋菜穂子 (文春e-book) 上橋菜穂子の最新ファンタジー。しかし,ファンタジーと呼ぶにはあまりにも現実味を帯びている。人々の危機を救うのに魔法も武力もいらない。ただ正しい知識と理性と,他者を思いやる心…

三屋清左衛門残日録  藤沢周平

三屋清左衛門残日録 藤沢周平 文春文庫 電子書籍 リタイアしたシングルシニア男性の理想の暮らし? 北国のある藩で先代藩主の用人を務めていた三屋清左衛門は,藩主の代替わりをきっかけに家督を息子に譲り隠居した。在職中に功績があって国元に隠居部屋を建…