壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

セカンドライフ  新津きよみ

セカンドライフ 新津きよみ 徳間文庫 電子書籍 「定年」というキーワードで括られる,7つの短編です。初めての作家なのですが,読みやすい話ばかりです。老後とかシニアとか,こういうたぐいのキーワードが気になる年頃ですので,こういうような話はネットで…

消失の惑星 ジュリア・フィリップス

消失の惑星《ほし》 ジュリア・フィリップス 井上里訳 早川書房 図書館本 8歳と11歳の幼い姉妹(ソフィアとアリョーナ)が黒い車で男に連れ去られた章から始まる。主な舞台はカムチャッカ半島の南部の海岸線に位置する都市ペテロパヴロフスク・カムチャッキ…

敗者の嘘 アナザーフェイス2 堂場瞬一

敗者の嘘 アナザーフェイス2 堂場瞬一 文春文庫 電子書籍 アナザーフェイス2作目。シングルファーザーの大友鉄は,子育ての時間を作るために警視庁刑事総務課に在籍しているはずなのに,上の人の特命で変則的に強盗殺人放火事件にかかわることになります。…

「暮らし」のファシズム  大塚英志

「暮らし」のファシズム 戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた 大塚英志 筑摩書房 図書館本 戦時中の大政翼賛会の元で,人々の日常の暮らしの中にどのようにファシズムが侵入していったのかを検証している本です。国家総動員法のような,著者の言う…

見知らぬ友  マルセロ・ビルマヘール

見知らぬ友 マルセロ・ビルマヘール 宇野和美訳 オーガフミヒロ絵 福音館 世界傑作童話シリーズ アルゼンチンの作家の短編集で,図書館では児童書に分類されていました。対象は中学生以上,YAに相当するでしょうが,大人にも十分に響いてくる物語です。「ぼ…

蜜蜂  マヤ・ルンデ

蜜蜂 マヤ・ルンデ 池田真紀子訳 NHK出版 ミツバチをめぐる三つの物語です。第一の物語は,近代的な効率のいい養蜂技術が開発された19世紀半ばのイングランドでの研究者ウイリアムの憂鬱。第二の物語は,ミツバチの大量失踪が起きた21世紀初頭のオハイオ州で…

アナザーフェイス 1  堂場瞬一

アナザーフェイス 1 堂場瞬一 文春文庫 電子書籍 シングルファーザーの大友鉄は,幼い息子のために定時帰宅できる職場を選んで,捜査1課から総務課に異動した。亡くなった妻の母親(義母)のサポートをうけて,一人で息子を育てて2年たった時,子供の誘拐事…

バルバラ異界1~4  萩尾望都

バルバラ異界1~4 萩尾望都 flowers コミックス 小学館 電子書籍 大雨で毎日の散歩ができないことを言い訳に読書三昧の毎日です。コロナのために体操教室を止めてしまったので,本の購入費用も工面できます(頭の体操ということで)。さらに,デスクトップPC…

ロボット・イン・ザ・ファミリー  デボラ・インストール

ロボット・イン・ザ・ファミリー デボラ・インストール 松原葉子 訳 小学館文庫 シリーズ4作目。『ロボット・イン・ザ・スクール』でジャスミンとの突然の別れを経験したチェンバーズ家に新たに参加したのは,フランキーという謎のロボットです。タングが一…

おばちゃんたちのいるところ   松田青子

おばちゃんたちのいるところ 松田青子 中公文庫 電子書籍 17編の連作短編がすごくおもしろい!! “追いつめられた現代人のもとへ、おばちゃん(幽霊)たちが一肌脱ぎにやってくる。“という宣伝文句を頼りに読み始めました。どの話も日本の怪談(落語,講談,歌…

海と山のオムレツ  カルミネ・アバーテ

海と山のオムレツ カルミネ・アバーテ 関口英子訳 新潮クレストブックス 図書館本 目次がレストランのメニューのような形式になっていることがすべてを語っています。南イタリアのカラブリアに生まれた著者の,食べ物と家族への愛の記憶で埋め尽くされた連作…

ミツバチと文明 クレア・プレストン

ミツバチと文明 クレア・プレストン 草思社 倉橋俊介訳 図書館本 ミツバチと人類がどう関わってきたのか,人間がミツバチにどんなイメージを持ってきたのか,ミツバチが人類の歴史にどんな役割を果たしてきたのか(または,どんな役割を演じさせられてきたの…