壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2021-02-01から1ヶ月間の記事一覧

ストーンサークルの殺人  M・W・クレイヴン

ストーンサークルの殺人 M・W・クレイヴン 東野さやか訳 ハヤカワ・ミステリ文庫 厚い文庫本(580ページ)の海外ミステリーを読んだのは,かなり久しぶりです。5日かかってやっと読了。花粉のため目がショボショボでしたが,面白くて読むのをやめられませ…

長いお別れ 中島京子

長いお別れ 中島京子 文春文庫 電子書籍 認知症になった父親をめぐる家族のお話。どのエピソードも認知症の「あるある」ですが,介護の困難や辛さを笑いに変えてあるので,楽しく読めました。はじめは無関係に思えたエピソードが思いがけずつながって,ジグ…

口笛の上手な白雪姫 小川洋子

口笛の上手な白雪姫 小川洋子 幻冬舎 電子書籍 日常の中にひそむ違和感がどんどんふくらんで,読者の妄想をかきたてる小川さんの短編集。自分の妄想を引き出してくれるのがなぜだか心地よいのです。 この短編集は,期間限定で70%オフ! 即ポチリました。ス…

ロボット・イン・ザ・ガーデン  デボラ・インストール

ロボット・イン・ザ・ガーデン デボラ・インストール 松原葉子訳 小学館文庫 一般家庭でもアンドロイドが家事を手伝う近未来のイギリスで,チェンバース家の庭に壊れかけた古いロボットが迷い込んできた。両親の事故死以後,毎日を無為に過ごすダメ男のベン…

活字狂想曲 倉阪鬼一郎

活字狂想曲 倉阪 鬼一郎 幻冬舎 電子書籍 作家として不遇の時代に,印刷会社で文字校正をしていた平成の初めに書かれたエッセイ(著者によれば「漫文」)。平成元年から平成八年まで,会社という組織に迎合しなかった変人会社員 暗坂喜一郎の自虐的記録です…

灰色の季節をこえて ジェラルディン・ブルックス

灰色の季節をこえて ジェラルディン・ブルックス 高山真由美 訳 武田ランダムハウズジャパン 1665年にロンドンから飛び火したペストが小さな村を襲った。語り手は18歳のシングルマザー,アンナ。幼い息子二人がなくなり,隣人や友人が次々にたおれた。村の外…

ドンナ ビアンカ 誉田哲也

ドンナ ビアンカ 誉田哲也 新潮文庫 電子書籍 前作「ドルチェ」が連続ドラマ向きなら、この長編「ドンナ ビアンカ」は二時間ドラマ(または映画)向きかな。 誘拐事件の収束点に向けて、二つの話が進行する。一つは村瀬の物語が少し過去から始まる。もう一つ…

ドルチェ 誉田哲也

ドルチェ 誉田哲也 新潮文庫 電子書籍 女性目線の警察小説が読みたいが、姫川玲子シリーズの続きを読むには、あの女優さんのことを思い出して少し辛い。誉田さんの別シリーズの主人公「魚住久江」はなかなかいい!事件の奥にある人間心理が繊細に描かれてい…

墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活 ニール・ゲイマン

墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活 ニール・ゲイマン 金原瑞人訳 角川文庫 電子書籍 惨殺された家族の生き残りだった赤ん坊は、墓地の中で幽霊たちに見守られて成長していった。何百年も前からある古い墓地に住む幽霊たちの時間は止まったまま…