壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

マーチ家の父 もう一つの若草物語 ジェラルディン・ブルックス

マーチ家の父 もう一つの若草物語 ジェラルディン・ブルックス 高山真由美訳 武田ランダムハウスジャパン2010年 2200円 大昔に『若草物語』『続若草物語』『第三若草物語』『第四若草物語』は読みましたが、そういえばマーチ家の父親の影はごく薄かったと思…

月が昇らなかった夜に ダイ・シージエ

月が昇らなかった夜に ダイ・シージエ 新島進訳 ハヤカワepiブックプラネット 2010年 1700円 フランス語で小説を書くダイ・シージエの長編小説第三作です。青春小説であった『バルザックと小さな中国のお針子』や喜劇的風味の『フロイトの弟子と旅する長いす…

サラの鍵 タチアナ・ド・ロネ

サラの鍵 タチアナ・ド・ロネ 高見浩訳 新潮クレストブックス 2010年 2300円 1942年7月、ヴィシー政権下のパリで一万人を越えるユダヤ人の一斉検挙が行われました。ヴェロドローム・ディヴェール(ヴェルディヴ)という屋内競技場に連行監禁され、その後アウ…

スカーペッタ パトリシア・コーンウェル

スカーペッタ パトリシア・コーンウェル 池田真紀子訳 講談社文庫 2009年 各880円 シリーズ第16作だそうで、もういい加減にやめようかと思いつつ、前作『異邦人』でのマリーノやローズの事が気になって、やはり読んでしまいました。事件そのものは猟奇性が少…

交換教授 デイヴィッド・ロッジ

交換教授 デイヴィッド・ロッジ 高儀進訳 白水Uブックス 1984年 「屈辱」というゲームでつとに有名な『交換教授』。1969年、英米のそれぞれの大学で英文学を教える教師が、『交換教授』という制度で互いのポストを交換するという設定です。この二人、最後に…

流転山脈 梓林太郎

流転山脈 梓林太郎 幻冬舎ノベルス 1997年 群馬・月夜野町で、東京からの客を乗せたタクシーの運転手が殴殺されて見つかった。車内のメーターは東京‐群馬の二倍の料金。それから七日後、北アルプスでは遭難を偽装した男性の殺人事件が発生。長野・豊科署の道…

不等辺三角形 内田康夫

不等辺三角形 内田康夫 講談社 2010年 1700円 内田康夫デビュー30周年記念の第三弾、浅見光彦の事件としては109番目の作品だそうです。名古屋の旧家に伝わる仙台箪笥のなかから出てきた五言絶句。旅情と人情と歴史がからみあい、例によって例のごとく三十三…

リヴァトン館 ケイト・モートン

リヴァトン館 ケイト・モートン 栗原百代訳 ランダムハウス講談社 2010年 3000円 老人ホームで暮らす98歳のグレイスが語り始めるのは、かつてメイドとして仕えたリヴァトン館での出来事でした。二つの大戦を経て変っていくイギリス階級社会、時代に翻弄され…