壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

読んでいない本について堂々と語る方法 ピエール・バイヤール

読んでいない本について堂々と語る方法 ピエール・バイヤール 大浦康介訳 筑摩書房 2008年 1900円 読書ブログをはじめてから三年が過ぎました。6月24日はブログ誕生日で、読んだ本はもうすぐ600冊。訪問者数はもうすぐ三万ヒット。三つともキリのいい数字で…

黄金探索者 ル・クレジオ

黄金探索者 ル・クレジオ 中地義和訳 世界文学全集Ⅱ-09 河出書房新社 2009年 2800円 ジャン=マリ・ギュスターヴ ル・クレジオの自伝的物語で、三部作(『黄金探索者』『隔離』(未訳)『回帰』)の一つ。モーリシャス島生まれの著者の祖父に題材をとった海賊…

フライデーあるいは太平洋の冥界 ミシェル・トゥルニエ

フライデーあるいは太平洋の冥界 ミシェル・トゥルニエ 榊原晃三訳 世界文学全集Ⅱ-09 河出書房新社 2009年 2800円 ミシェル・トゥルニエの哲学的小説『フライデーあるいは太平洋の冥界』を漂流・無人島を題材にした小説の締めくくりとして読みました。文明か…

空洞地球 ルーディ・ラッカー

空洞地球 ルーディ・ラッカー 黒丸尚訳 早川書房 1991年 640円 ポオの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」のヴェルヌ的解決編である「氷のスフィンクス」に引き続いて読んだのは、ラッカーによって語りなおされたポオの物語です。・・と…

鳥類学者のファンタジア 奥泉光

鳥類学者のファンタジア 奥泉光 集英社 2001年 2300円 いろいろ慌しくて、すっかりご無沙汰しました。まだ当分忙しそうで、まとまった読書ができません。リコメもご訪問も遅れ勝ちですみません。 ポオの『ゴードン・ピムの物語』には最後の方に地下世界に通…

世界の測量 ダニエル・ケールマン

世界の測量 ダニエル・ケールマン 瀬川祐司 三修社 2008年 1900円 ヴェルヌ著「グラント船長の子供たち」のジャック・パガネルという地理学者は、知的好奇心のためであれば、どんな危険をも厭わない冒険家で、時代は異なりますが、南アメリカを探検したフン…

氷のスフィンクス ジュール・ヴェルヌ

氷のスフィンクス ジュール・ヴェルヌ 古田幸男訳 集英社文庫 1994年 880円 突然に不可解に終わった、ポオの「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」のヴェルヌ的解決編です。 ケルゲレン島からスクーナー船ハルブレイン号に乗客として乗り…

残照 今野敏

残照 今野敏 角川春樹事務所 2002年 857円 神南署から再び東京湾臨海署に戻った安積たちです。台場での暴走族少年たちの抗争で殺人事件があり、容疑者は黒いスカイラインGTR「黒の亡霊」を駆る少年です。その少年を追って、安積をスープラの助手席に乗せた速…

最終目的地 ピーター・キャメロン

最終目的地 ピーター・キャメロン 岩本正恵 新潮クレストブックス 2009年 2400円 ウルグアイのモンテビデオからかなり離れた土地にヨーロッパ風の邸宅があり、自殺した作家ユルス・グントの親族が暮らしています。作家の妻キャロライン、作家の兄アダムとパ…