壊れかけたメモリーの外部記憶

70代の読書記録です。あとどれくらい本が読めるんだろう…

2006-09-01から1ヶ月間の記事一覧

砂漠の船

砂漠の船 篠田節子 双葉社 2004年 1600円 両親の出稼ぎ経験をもつサラリーマンの、単身赴任を断わってまでニータウン団地という地域社会に密着した家庭生活を守りたいという願いが、妻や娘に受け入れられず、徐々に崩壊していく家庭。ホームレスの死から、地…

女たちのジハード

女たちのジハード 篠田節子 集英社 1997年 2050円 有名な本だから、読んだと思ったのですが、一部しか覚えていませんでした。確かにテレビドラマにぴったりの、読後感爽快な話でした。このところ女流作家の小説が続きます。やっぱり読みやすいのかなあと思い…

ぼんくら

ぼんくら 宮部みゆき 講談社 2000年 1800円 宮部みゆきの時代小説は、見つけると読んではいたのですが、未読のものがありました。 未読のものが見つかるのは、楽しみです。 「ぼんくら」は連載中に一部読んだだけですので、「日暮し」「あかんべえ」「孤宿の…

インタンジブル ゲーム

インタンジブル ゲーム 幸田真音 講談社 1996年 1900円 経済小説という分野らしいのですが、初めて読みました。幸田真音という名前すら知りませんでした。 最近「マネー ハッキング」と改題されて文庫から出ていました。友人に進められて読んだものですが、…

パーフェクト プラン

パーフェクト・プラン 柳原慧 宝島社 2004年 1600円 宝島の「このミステリーがすごい大賞」第二回受賞作だそうで、ミステリーとはいえ、偏食(読)で自分からは読まない本が多いのですが、友人に薦められました。「このミス大賞」応募の条件が、400枚から800…

アクアリウム

アクアリウム 篠田節子 1993年 スコラ 奥多摩の鍾乳洞地底湖に棲む知的生物(の幻想)に取り付かれた主人公(地方公務員)が、環境保護運動に巻き込まれていきます。環境保護団体の裏側も出てくるけれど、熱帯魚オタクの主人公が突然行動派になるところが不…

日本のルイセンコ論争

日本のルイセンコ論争 中村禎里 みすず書房 1997年(原著は1967年) 2200円 ルイセンコ学説の興亡 個人崇拝と生物学 メドヴェジェフ 金光不二夫訳 1971年 河出書房新社 950円 日本のルイセンコ論争を読む前に、「ルイセンコ学説の興亡」を読み返しました。著…

きわどい科学

きわどい科学 ウソとマコトの境域を探る At the fringes of science マイケル・W・フリードランダー 白揚社 1997 田中 嘉津夫 久保田 裕 訳 疑似科学と正統科学の間のグレーゾーンにある境界について、かなり新しい例も挙がっています。 常温核融合はまだ記…

奇妙な論理Ⅰだまされやすさの研究

奇妙な論理Ⅰだまされやすさの研究 640円 1989年奇妙な論理Ⅱ空飛ぶ円盤からユリ・ゲラーまで 600円 1992年マーティン・ガードナー 市場泰男訳 社会思想社 教養文庫奇妙な論理Ⅰは、「In the Name of Science」の抄訳(全25章のうち11章を訳出)で、1980年に社…

銀齢の果て

銀齢の果て 筒井康隆 新潮社 2006年 1500円 筒井康隆の最新刊だそうです。元ファンとして読みました。老人人口を減少させる厚生労働省推進のご町内70歳以上老人によるバトル・ロイヤルです。作者自身が70歳であるための天下御免の殺戮場面は、相変わらずのス…

インチキ科学の解読法

インチキ科学の解読法 ついつい信じてしまうトンデモ学説 Did Adam and Eve have navels?の抄訳 原書は2000年 マーティン・ガードナー 光文社1700円 太田次郎 監訳 2004年 ”アメリカといえば、世界最先端の科学・技術の国というイメージがある。だが、現実に…

スキャンダルの科学史 他一冊

スキャンダルの科学史 朝日新聞社 1997年 1339円 科学朝日編 何故か、擬似科学、似非科学、トンデモ、の現在を知りたくなりました。 以前「思い違いの科学史」を読みましたが、同様の内容です。パート2として、国外にも題材を求めた「科学史の事件簿」がある…

死刑判決

死刑判決 reversible error スコット トゥロー 佐藤耕士訳 講談社文庫 (上下)各1143円 (高い!) 図書館で借りてずっと読めず、また借りてきました。トゥローの例によって例のお話で、前半やや冗長ですが後半は意外で急な展開です。 “死刑判決に対す…

愛のひだりがわ 他二冊

愛のひだりがわ 筒井康隆 新潮文庫 552円 久しぶりに書店で本を買いました。ジュブナイルで、あっという間に読めてしまうのですが、相変わらず上手です。すぐに映像化されるんでしょうね。 わたしのグランパ 筒井康隆 文芸春秋 952円 未読だったので、今回読…

疫病と世界史 続き

マクニールの疫病と世界史のメモの続きです。5000字を超えてしまいましたので。 第5章 大洋を越えての疾病交換 紀元1500年から1700年まで 新世界が旧世界に如何に侵略されていったのか。新世界では生物学的多様性は低かっただろう。メキシコやインカで…